この全日制の調律科コースは、2年間週5日昼間に登校する普通の専門学校形式のものです。
3年次にマイスターコース(研究科)があります。
ピアノ総合技術者養成
ピアノ総合技術者と明記している理由は、当学院では調律だけではなくピアノ全体の例えば木工の響鳴板の事、鉄骨の裏のピン板の事、鉄骨上の事、本格的な張弦の事、メカニックの組み立て、メカニックのピアノ本体への取り付け、メカニックの本格的な調整を勉強した上でピアノ調律や調整と整音他の技術を修得します。
これは将来1人でお客様宅にて技術作業を行う上で非常に大切な、かつ必要な事なのです。
プロの現場でのお客様の質問やクレームは調律に関してよりはだいたいピアノ本体に係わる事が多いのです。当学院の卒業生は皆「調律学校時代にピアノ本体の勉強が出来て良かった。今大変役に立っています。」と喜んでいます。
国家検定ピアノ技能士資格
調律師の資格が、いよいよ国家検定制度になりました。
資格試験に合格すれば、厚生労働省が認めるピアノ調律技能士と名乗れます。国が認める資格となることで、益々の調律の需要の拡大が期待されます。
国家資格がなくても調律の仕事は出来ますが資格を持つことで将来お客様からの信頼度は高まることでしょう。また、ホールなどのコンサート調律を行う際に技術力を証明するものとしても有効になります。当学院で学ぶ2年間は、国家検定・ピアノ調律技能士資格試験の受験資格のピアノ調律に関する業務(職業)に携わった期間と認められており、3級資格と2級資格は在学中に取得可能です。1級資格は卒業後実務を経て通常より2年間を短縮して取得可能です。
当学院は、国家検定・ピアノ調律技能士資格試験合格の一番の近道となる調律学校です。
本学院では、経験豊富なベテラン技術者、調律師協会会員の1級ピアノ調律技能士である講師が多数在籍しておりますので、どうぞ安心して確かな技術を身に付けて下さい。
78%実技重点教育
本学院ではドイツピアノマイスターの称号を持つ学院長の指導のもと、2年間で調律だけではなくピアノ全体の修理も出来る、質の高いピアノ総合調律技術者を養成します。調律技術の修得は、実際にどれだけ多くの調律をするかにもかかっています。それだけに、本学院では実技教育に力を入れ、全授業時間の78%を調律、メカニック調整、整音、修理全般、ピアノ演奏などの実技時間としているのです。
防音BOX完備の個人指導体制
本学院では生徒の一人一人が防音室で充分に調律実技の個人指導を受けることができる体制が整っています。調律実技の時間は完全な個人レッスンとなる為に、調律用と実技用に合計15台以上のピアノが学校内に準備されています。また卒業生が就職後すぐにいろいろな仕事を任せられても大丈夫なように、たくさんの違った種類のピアノが体験できるように配慮されています。本学院の調律練習用設備は調律学校の中で最高水準にあります。
さらに、多くの第一線で活躍している講師陣が指導にあたりますので、学生はひとりひとりが充分に実技の個人指導を受けることが出来ます。
カリキュラムの紹介
当学院のカリキュラムは、ドイツ国立ピアノ技術学校のカリキュラムを元に構成されております。150年以上の歴史を持つドイツの国立ピアノ技術学校の資料は長年の年月を経て完成されたもので、世界的に見ても大変貴重な理論データーです。
当学院では、それらを日本のピアノ業界事情に合わせたカリキュラムに仕上げております。
1年次
一般教養
社会人としてのマナー(応対、電話のかけ方他)
ピアノ調律師としてのお客様宅での応対他
理論
調律理論Ⅰ、音響学、楽器史(建築史より)、
材料学、ピアノ一般概論、製図、
音楽史、楽典、音楽概論
実技・実習
ピアノ調律(アップライトピアノ)
(ストロボチューナーを使用して調律グラフ作成)
ピアノメカニックの製図と組み立て実習
ピアノ修理(アップライトピアノ)
ピアノメカニック調整(アップライトピアノ)
ピアノ整音(アップライトピアノ)
音楽実技
ピアノ演奏、合唱
2年次
一般教養
社会人としてのマナー(応対編)
就職試験対策
理論
調律理論Ⅱ、音楽史、楽典、音楽概論(音楽教養)
特殊ピアノ知識
スタインウェイピアノ、ベシタインピアノ、
ベーゼンドルファーピアノ、ボールドウィンピアノ、
ファツィオリピアノの知識
消音ピアノの知識、製図、国家検定対策
実技・実習
ピアノ調律(アップライトピアノ)
ピアノメカニック調整(グランドピアノ)
ピアノ修理(グランドピアノ)、ピアノ塗装、
スタインウェイピアノ、ベシタインピアノ、
ベーゼンドルファーピアノ、ボールドウィンピアノ、
ファツィオリピアノの調整
コルグ、ピアメイト、ピアノサイレンサー各社の消音ピアノ取付(認定資格可)
学校外での出張調律実習
ドイツ国内の楽器店・工房での海外実習、国家検定対策
音楽実技
ピアノ演奏、合唱
調律実技(ドイツ式、日本式)
本学院の講師陣はピアノ業界の色々な現場で、30年、40年以上仕事を続けてきたベテラン技術者なので、実践的な技術指導が出来ます。生きたお客様の対応等も習得可能です。又、本学院では、特にドイツハンブルグスタインウェイ社独特の調律実技方式から、ドイツのベシタイン社、ベーゼンドルファー社、グロトリアン社固有の調律方式と日本の調律方式を分けて修得出来ます。
ドイツ式と日本式調律の違い、これだけインターネットが発達して世界の情報が行き交う今日、ドイツと日本では調律のやり方が全く違うのには驚かされます。当学院では本場ドイツのピアノ調律を学べます。
例えばドイツではアップライトピアノの調律もグランドピアノの調律も調律師は椅子に座って調律を行います。日本ではアップライトピアノの調律もグランドピアノの調律も調律師は立って調律を行います。理由はハッキリと分かりませんが、日本で一番最初に調律を広めた調律師が立って調律を行った為と推測されます。又は、ヨーロッパ人の方が日本人より腕力が強い人が多い為に、ドイツ人は座って調律をする事を好み、当時の背の低い日本人は立って全身を使った調律を好んだ為かもしれません。
ピアノ調律グラフ ストロボチューナー
当学院では、現在世界で最も精度の高いストロボチューナーを用意して、初心者のピアノ調律実技の「目で見る調律」をする為に、その機械を併用しています。 しかし機械のピアノ調律は世界で一番精度の高いものでも所詮機械のピアノ調律なのです。どうしても無機質で冷たいピアノ調律になります。プロの音楽の世界では通用しません。以上の理由から当調律学校では3か月以上ピアノ調律の経験をした学生には人間の耳で聞くピアノ調律を徹底指導しています。人間が神から与えられた能力は無限と言える程すばらしいものです。人間は機械の精度の何千倍位の音の違いを判断できると思います。音楽は人間が音を奏で人間が演奏を聞き、音を聞くものです。人間のピアノ調律は機械に比べると温かみがあり又、和音ハーモニーが心地良いものです。やはり人間味があるものなのです。音楽には人間のピアノ調律が不可欠です。
修理実技(ドイツ式、日本式)
本学院はピアノ製作会社が関連していますので、特にピアノ修理実技授業においては、そのメリットを充分に生かすことができます。
新しいピアノを製作するときと同じ部品、材料、工具等が容易に調達され、充分な台数の修理用ピアノを使って、ドイツと日本の実践的な最高水準の修理技術を学ぶことができます。
アップライトピアノ整調(ドイツ式、日本式)
アップライトピアノの調整は第1学年で学びます。ここでは母体のピアノ製作会社より特別な工具や冶具類(作業に必要な型枠等)が用意されていますので、プロと同じ条件で仕事が出来、本格的かつ実践的な調整技術を身につけることが可能です。
又、本学院の講師陣にはピアノ業界の色々な現場で40年以上も仕事を続けてきたベテラン技術者がおりますので、お客様の対応等も指導出来ます。
グランドピアノ整調(ドイツ式、日本式)
グランドピアノの修理、調整は第2学年で学びます。ここでも母体のピアノ製作会社より特別な工具や治具類が用意されていますので、プロと同じ条件で仕事が出来、かつ実践的な調整技術を身につけることができます。
本格的なグランドピアノの調整技術を身につけますと、就職後仕事の範囲が広くなり大変役に立ちます。
整音実技(ドイツ式、日本式)
ピアノの音を整え、つくる技術を、録音用、ホール用、家庭用まで教育します。本学院では特にドイツスタインウェイ社の固有の整音技術から、ベシタイン社、ベーゼンドルファー社、グロトリアン社、ファッツオリ社の整音技術と、日本の整音技術を正確にはっきりと分けて修得出来ます。
製図(ドイツ国立専門学校カリキュラムに基づく資料)
ピアノ製図を修得しておくことは、技術者として実社会で大変役に立ちます。
ピアノの部分等を書く事からはじめ、ピアノ製図基礎を学びます。
製図の授業を通して、ピアノ設計の基礎を学ぶ事にもなる訳です。
調律理論(ドイツ国立専門学校カリキュラムに基づく資料)
技術を支える知識を理論的に学びます。
メカニック整調理論(ドイツ国立専門学校カリキュラムに基づく資料)
メカニック整調に関して必要な理論を体系的に教育します。
ピアノ演奏実技
本学院では、ピアノ演奏を個人レッスンしています。上級者は難易度の高い課題曲を練習し、初心者は初級の曲よりレッスンを受けています。
ヨーロッパやアメリカのピアノ調律技術者にはピアノを大変上手に弾く人が多く、日本のピアノ調律技術者にも、本格的にピアノを弾く人が増えつつあります。調律学校でピアノの演奏レッスンを受けておくことは将来非常に役立つはずです。
音楽史
本学院では音楽のわかるピアノ調律技術者の育成をめざしています。
音楽史の授業では、ピアノという楽器が誕生した以降の作曲家やピアノ曲について学びます。
CDを聴き、楽譜を見ながらそのピアノ曲を解説していく授業は、音楽が大好きな生徒にとっては、楽しみな時間の一つになっています。
音響学(ドイツ国立専門学校カリキュラムに基づく資料)
ピアノ調律に必要な基礎的理論を入門編から、正確に教育します。
材料学(ドイツ国立専門学校カリキュラムに基づく資料)
ピアノを構成しているさまざまな材料について分析し、その特性を把握します。
楽器史(ドイツ国立専門学校カリキュラムに基づく資料)
現在のピアノにいたるまでの鍵盤楽器について歴史を講義します。
ピアノ一般概論(ドイツと日本の実践的な知識)
ピアノ調律技術者として必要なピアノに関する全般的な知識を教育します。
ピアノビジネス
ピアノ調律師として仕事をしていく為のノウハウなどを勉強します。
ピアノ塗装実技
塗装の簡単な修復方法の基礎を学びます。
消音ピアノ、サイレントピアノ取付実技
本学院では、各メーカーの消音ピアノ取付技術者認定資格を取得できます。 消音ピアノ、サイレントピアノの取付を実際に経験して修得します。
・ピアメイト(Piamate)消音ピアノ取付技術者認定資格
・Piano Silencer消音ピアノ取付技術者認定資格
・コルグ消音ピアノ取付技術者認定資格
ピアノクリーニング実習
外装、ペダル等のピアノ全体のクリーニングを学びます。
管楽器リペアー(選択で取れます)
管楽器リペアー技術の基本からプロ仕様の高度な技術まで学べます。
実践の為の課外授業と体験学習
本学院では就職後の実践の技術修得の為にドイツ工房での体験学習や学校外の音楽ホールでの課外授業も実施しています。
目 標 調律師・リペアーマン・コンサートチューナー・ピアノアドバイザー・海外留学等